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ロッチのネタ「マネキン」

松岡と宮下のコンビ「ロッチ」の代名詞ともなったネタ。これで賞もいただきました。

マネキン

松岡:ああ、疲れたなぁ。今日のポーズこれだよ、これ。ちょっと無理あるよな。

宮下:まあ、そういうなよ。俺らマネキンだもん。仕方ないよ。それに、お前は花の紳士服売り場じゃないか。

松岡:そういうお前こそ若者に人気のヤングカジュアルコーナーだろ。やっぱヤングだよなあ。

宮下:ヤングカジュアルか…。いいひびきだったよな。

松岡:だったって?

宮下:実は俺、今度異動になったんだ。

松岡:どこの売り場だよ。

宮下:紳士肌着売り場。

松岡:紳士肌着って…。

宮下:ああ、そうだよ。パンツ売り場さ。トランクスやボクサーパンツならまだましだよ。顔を赤らめる女性客に何食わぬ顔してポーズをとる喜びもあっただろうよ!色とりどりのビキニパンツなら、それなりにおしゃれ気分も味わえただろうさ!でも、でも、俺はブリーフ担当なんだよ。いうなればブリーフマネキンさ!下半身だけ切り離されて、真っ白のいや中途半端な水色のカラーブリーフをはかされてさらしものになるのさ。そうだよ、マネキンの墓場さ。俺のマネキン人生も、もうおしまいなんだよ!

松岡:バカヤロウ!「マネキンはブリーフにはじまりブリーフに終わる」という言葉をしらないのか!?

宮下:初耳だよ。どこかの偉い人の言葉なのかい?

松岡:俺の親父の言葉だ。

宮下:おまえの親父って偉いのか?

松岡:カラーブリーフの第一人者といわれたマネキンだ。

宮下:カラーブリーフの第一人者…。

松岡:誰がやっても同じに思えるブリーフマネキン、しかし、あの股間の微妙なふくらみを出すのに最低三年はかかるといわれている。いやらしすぎず、なおかつセクシーに。そう、たとえるならば春風のいたずら、秋の訪れを告げる虫の歌。ドリフでいえば仲本工事。そして、そんな親父のふくらみに恋してしまったのが、パンティーマネキンのおふくろだったってわけさ。

宮下:カラーブリーフが二人の恋のキューピットだったってわけか。でも、おまえの親父がそんなに偉かったのなら、俺も名前ぐらいは聞いたことがあるはずだろ?

松岡:…。おまえと連れしょんしたことがあったよなあ。ほら、ふたりがまだ学生服マネキンだったころ。

宮下:ああ、なつかしいなあ。でも、なにか関係あるのか?

松岡:あのとき俺さ、「最近しょんべんのキレがわるい」っていってただろ。

宮下:そういえば…。

松岡:あれ、親父の遺伝なんだ。あの若さでしょんべんのキレがわるくなる、年をとったらもちろん尿漏れさ。やっとカラーブリーフを極めた親父を尿漏れという名の悪魔がおそったんだよ!紳士服だったらまだ大丈夫、チャックの横がぬれて色が変わっていても、「手を洗うときに水がはねた。」とかなんとかいいわけできるだろ。でも、ブリーフマネキンにとっては致命傷さ。尿漏れのブリーフマネキンなんて、恋することを忘れた詩人、いや猪木のマネを忘れた春一番みたいなもんさ。あっという間の栄光だったよ。だから、おまえが知らないのも無理はないのさ。

宮下:そうだったのか…。それで、親父さんは引退しちゃったのか?

松岡:いや、不屈の根性で今は成人用おむつのマネキンをやっているよ。老いた自分に対する誇りを表現するそのポーズから、おむつマネキンの革命児と呼ばれている。

宮下:ごめん、俺が間違っていたよ。俺、立派なブリーフマネキン目指してがんばるよ。そして、恋もね…。

松岡:恋って、お前、誰か気になる子がいるのか?

宮下:のりこちゃんって知ってる?

松岡:ああ、あのババシャツコーナーの。

宮下:彼女、一日中俺の方をみつめたまま動かないんだ。

松岡:そりゃあ、マネキンだからね。それがどうかしたのか?

宮下:…。いや、なんでもない…。なんでもない…。

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